IATA:2025戦略報告書でEC対応の重要性を強調
世界の航空貨物業界は、2024年上半期の輸送貨物トンキロ(CTK)で前年同期比13.4%の増加を記録したが、国際航空運送協会(IATA)は、この記録的な上半期業績をもたらした第一の要因は電子商取引(EC)の旺盛な需要であると、このほど発表した「IATA貨物業務 – 2025年の戦略的優先事項レポート」と題する報告書の中で述べている。
IATAによると、コロナ・パンデミックの際に世界中でEC市場は約30%も成長し、コロナ後も堅調に10~12%のペースで拡大しており、その売上高は24年末までに世界で6兆3000億ドル(約983兆円)に達すると見ている。また、この分野の商品輸送スピードと配送網は、航空輸送に大きく依存しており、すでに越境EC商品の80%が航空で運ばれているという。
そのため、航空貨物業界はECキャリアとして次の諸点の対応を強化すべきと、IATAは主張している。
(1)自動化=予約、追跡、文書化のプロセスを自動化することで、ECの発送速度と透明性を向上させる。
(2)より迅速な配送ネットワーク=翌日および同日配送サービスに重点を置き、より効率的で信頼性の高い航空貨物ルートを開発する。
(3)輸送能力の向上=貨物専用機を活用し、拡大するEC需要に対応するために輸送キャパを拡大する。
(4)ラストワンマイルの統合=航空貨物を地元の配送ネットワークにシームレスに接続し、より迅速なラストマイル輸送を実現する。
(5)持続可能性=燃料効率の高い航空機や脱炭素プログラムなどの環境に優しい方式を採用し、環境への影響を最小限に抑える。
(6)持続可能な梱包材=EC急増により、包装材の使用量が劇増→環境に優しい材料の必要性がある。
SPACE 航空貨物ニュース by The Japan Press.Ltd.社 より抜粋